あまり聞くことのない、灌仏会(かんぶつえ)という言葉。
灌仏会とはどのようなイベントなのかまとめました。
灌仏会(かんぶつえ)とは?
引用:https://seasons.love/
灌仏会(かんぶつえ)とはお釈迦様の誕生日のことで、お釈迦様の誕生を再現するお祭りのことです。
日本では毎年4月8日に行われています。
12月25日がキリスト教でイエスの誕生日がクリスマスであることから、お釈迦様の誕生日の4月8日は『和のクリスマス』とも呼ばれています。
一般にお釈迦様の誕生日は中国暦で4月8日とされています。
しかし、インドなどの南伝仏教圏では、お釈迦様の誕生日はインド系太陽太陰暦では2月15日として灌仏会(ウェーサーカ祭)を行います。
国や同じ仏教でも、使っている暦によって日付に誤差が出るのが灌仏会です。
灌仏会(かんぶつえ)の歴史や由来
引用:http://www.suizokkan-mania.com/
灌仏会の歴史や由来についてまとめました。
歴史
灌仏会はインドの西域で行われていた
- 行道(仏像や仏塔の周りを回りながら恭しく礼拝する儀式)
- 行像(輿に仏像など信仰対象を載せ、華美な行列を組んで寺の外を練り歩く行事)
が中国を経由して日本に入ってきて現在のものになったと考えられています。
記録が残っている灌仏会で国内で最も古いものは、法隆寺で行われた聖霊会(しょうりょうえ)です。
行道面と呼ばれる仮面を被った人々に導かれた行列が、仏舎利(ぶっしゃり)と聖徳太子像を載せた輿を東院から西院に移し、管弦と舞を奉じた後に元に戻すというものだったそうです。
別名
灌仏会の別名は複数あり
- 降誕会(こうたんえ)
- 仏生会(ぶっしょうえ)
- 浴仏会(よくぶつえ)
- 龍華会(りゅうげえ)
- 花会式(はなえしき)
- 花祭(はなまつり)
などの別名があります。
意味は全て灌仏会と同じでお釈迦様の誕生日を祝うという意味合いのものです。
由来と逸話
引用:http://thetimes.seesaa.net/
お釈迦様の母親である摩耶様が、不思議なお告げを夢の中で聞いたことに始まります。
夢の中のお告げでは「あなたはもうすぐ子供を産みます。その子はたくさんの人を助ける立派な人になります」というものでした。
ある日、摩耶様はルンビニ園という綺麗な庭を散歩している時にお釈迦様が産まれました。
このお釈迦様が産まれた日が紀元前5世紀ごろの4月8日だったそうです。
お釈迦様は産まれてすぐに四方に7歩ずつ歩いて、指で天と地を指して「天上天下唯我独尊」と言ったといわれています。
そして、甘露の雨が降り、香気が漂い、花びらが舞う中で四天王や天人が降臨し、お釈迦様の誕生をお祝いした。
という事が伝わり、お釈迦様の誕生をお祝いするということを込め、言い伝えのとおりに誕生を再現していることから灌仏会(花祭り)と言われるようになったそうです。
名前(花祭り)には、ルンビニ園という場所や花びらが舞っているということが強く反映されています。
天上天下唯我独尊の意味とは?
引用:http://kazuyashida.jugem.jp/
言葉は聞いたことがあっても、意味についてはあまり知られていない天上天下唯我独尊という言葉。
昔のヤンキーがよく特攻服や学ランに刺繍を入れて言葉です。
彼らは意味を知らずに入れているとは思いますが、あれを思い出すとヤンキーは慈悲深いなと思います。
天上天下唯我独尊の意味は解釈の仕方によって少し違います。
- この世界で我ただ一人が尊い
- お釈迦さまが俗界で苦しむ人々を救うために誕生したから尊い
- この世の人はすべてただ一人の人だから、すべて等しく尊い
という意味を持っています。
「この世の中で自分だけがえらい」という意味と勘違いされがちですが、実はとてもありがたく深い意味のある言葉です。
灌仏会(かんぶつえ)の楽しみ方
花祭り
花祭りでは、お釈迦様の産まれたルンビニ園を表す意味で、花御堂が作られます。
花御堂の中には立像の誕生仏を浴仏盆とよばれる水盤に祀り、そこに柄杓(ひしゃく)で甘茶をかけます。
甘茶はお釈迦様の産まれた際に降ったと言われる甘露の雨を表しています。
稚児行列
引用:表示URL
灌仏会には子供の健康と成長を願い、稚児行列というものがあります。
仏教系の幼稚園や保育園で行っていることがおおく、園児には甘茶を飲める日として馴染まれているそうです。
まとめ
灌仏会(かんぶつえ)についてまとめました。
あまり馴染みのないイベントですが、仏教の馴染みが深い日本人にとっては意外と身近なイベントです。
2018年の灌仏会は日曜日なので、機会があればお寺に行ってみると花祭りに参加できると思いますよ。

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