2018年のラマダンはいつ?期間や意味、テロとの関係性を解説!

ラマダンと聞くと「断食」と思いつくのではないでしょうか。

実際は断食以外にもたくさんの制約がありますが、ラマダンの内容についてあまり深く知られてはいません。

そんなラマダンの目的や意味、テロとの関係性などについて解説をします。




ラマダンとは?

引用:http://www.jakartashimbun.com/

「ラマダン」とはイスラム教徒が行う自身を清めてイスラム教の信仰心を強めようとするためのものです。

近頃では「ラマダン=断食」というイメージが付いてしまってますが、厳密には1ヶ月の間、断食や禁欲、争いごと、悪口などを一切禁じるものです。

日本人に馴染みのある仏教で簡単に例えるなら「修行」と似たような感じです。

ラマダンの目的

引用:https://www.newsweekjapan.jp/

ラマダンの本当の目的は「人がアッラーに近づこうとする」ということです。

アッラーとはアラビア語で「神様」のことを指し、イスラム教徒が信仰する神様です。
この「アッラーに近づく」という目的のために、断食を始めとする欲の断絶を1ヶ月間行います。

ただ、あらゆる欲を断絶していても、日常の家事や仕事は普段と同じように行われます。
さらに期間中は、他のことよりも道徳的なことや精神的なことが重要視され、それらのことを心の中心にすることが大切だとされています。

要するに「全ての行いはアッラーに近づくため」という考えのもとにラマダンは行われていくということです。

聞くものや見るものなど全ての五感で感じるものは全て己の意思で統制し、無駄なおしゃべりや行動さえも慎みます。

また、見ず知らずの人であれ、世の中には恵まれない不遇な人々がたくさんいます。
その人達と同じ飢えや渇き、労苦を実感することによって「それが必要とされているところに慈悲の手を差し伸べることの大切さに気づく」という目的もあります。

これらがイスラム教では、アッラーへ対する美徳ということになっています。




ラマダンの歴史

引用:https://jp.sputniknews.com/

ラマダンを断食のことと捉えている方は多いですが、ラマダンの本当の意味はヒジュラ暦(イスラム暦)での月の名前のことです。
近年になって「ラマダン=断食」という意味を指すようになってきただけなのです。

そんなラマダンの始まりは、イスラム暦で9月を意味するラマダンに、コーランが預言者ムハンマドに啓示されて始めるようになりました。

ラマダンを守ることのついては、コーラン第2章185節に下記のように記されています。

ラマダンの月こそは、人類の導きとして、また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーン(コーラン)が下された月である。それで、この月の新月を観測する者は、その月中、断食をしなければならない。病気の者、または旅路にある者は、後の日に、同じ日数を断食する。アッラーはあなたがたに易きを求め、困難を求めない。あなたがたが定められた期間を全うして、導きに対し、アッラーを讃えることを求める。恐らくあなたがたは感謝するであろう。

これをさらに分かりやすく解説すると

  • ラダマン(イスラム暦で9月)の間はムスリム(イスラム教徒)はその1ヶ月間断食をしてください。
  • 病気の人や旅の途中の人は無理をしたら良くありません。
  • 別なできる時で良いので同じ期間ちゃんとやってね。
  • これは苦しみを体験させるのを求めているのではなく、そこから得るものがあるからなんです。
  • 例えようのない感謝の気持ちがアッラーからあるかもよ。

というようになります。




ラマダンのルール

ラマダンには厳格なルールがあります。

「断食の期間に飲食を断っていながら、うそをつくことをやめない人は、断食を行う意味がない」といわれるほどです。
しかし、決められた範囲内のみでの約束事であり、その範囲外であれば通常の生活と大差はありません。

また、同じ仲間として辛い試練を乗り越えることのよって、一体感が生まれたり、相手のことを思いやるという気持ちが生まれることもあります。

2018年のラマダンの時期と時間は?

ラマダンは時期と時間が決められています。

毎年行われる時期は10日ほどずつズレが生じてしまいますが、基本的にはイスラム暦で9番目の月に行われます。

ラマダンは1ヵ月間行われ2018年は5月15日の夕方から6月14日の夕方となっています。

期間中は至るものに制限が課せられますが時間は決められており「日の出から日没までの間」となっています。
24時間というわけではないので、無理と言うほどハードではありません。

決められた範囲内でいかに

  • 欲望を耐えるか
  • 生理現象を耐えられるか

ということが大切になってきます。




制約が課せられるもの

ラマダンではアッラーに近づくために、日常生活の色々なものに制約が課せられます。

どのようなものを耐え、欲と戦うのかまとめてみました。

飲食

引用:https://gqjapan.jp/

ラマダン期間中は日が出ている時間帯の飲食は禁止されています。

余程の理由がない限りは水をのむことさえ禁止です。

冬場のラマダンであれば問題ありませんが、ラマダンはイスラム暦の関係上から10日くらいずつズレて行われていきます。
夏場にのどが渇いても水すら飲むことは許されていないので、日の出前にたくさん水分補給をしたりして対策をしているそうです。

性行為

性行為も日の出から日没の間は禁止されています。

こちらは余程の性欲がある人でなければ大した問題ではありません。

喫煙

喫煙者には厳しい制約です。

ラマダン中は飲食だけではなく、喫煙も禁止されます。

ラマダンを期に禁煙を目指せるきっかけになりそうです。

ゲームやテレビ、音楽などの娯楽

ゲームやテレビ、音楽を聞いたりなどの娯楽も基本的には禁止されます。

自分が娯楽を楽しむよりも、他の人の為に何かをしてあげたほうが良いとされています。

服装

引用:https://ameblo.jp/

もともとイスラム圏の国の多くは肌の露出が多い服や、体のラインが出る服は禁止とされてします。
近年ではその成約が緩くなりつつはありますが、ラマダンの期間中だけは別ということもあるそうです。

ラマダン期間中はいつも以上に神への態度を慎む必要があります。
質素、節制をすべき時期ですので服装には気を使うそうです。

悪口や噂話、争いごと

ラマダンの間は悪口や噂話、争いごとも禁止です。

期間中の悪口などは最も悪いこととされています。
「死んだ兄弟の肉を食べること」と言われるほど恥ずかしいことであるとされています。




良いことをする

イスラム教は「善人であれ」という教えが強いです。

そのため、ラマダンの間は「他の人へ対する良い行い」が自然と増えます。

  • 人への親切心を重んじる
  • 他人へ物を施す
  • 何かをおごってあげる
  • 募金や奉仕活動をする

ということが国中のいたるところで行われるようになります。

寄付はサダカと呼ばれ、ラマダン中に行うサダカは非常に良い行いであるとされています。

また、ザカートと呼ばれる貧しい人へ対して「1年の貯金の2.5%を払う」という義務もあります。
ザカートはラマダン中に払う必要はありませんが、1年に1度は必ず支払う必要があります。
ザカートは忘れないようにラマダン中に納める人が多いそうです。




ラマダンになるとテロが増える理由

引用:https://www.cnn.co.jp/

ラマダンになるとテロが増えてしまうと言われいます。

その回数はラマダン前後の1ヵ月間だけで10回以上のテロが起きています。

2017年の把握することができるテロだけで下記の通りです。

5月22日 イギリス・マンチェスター 死者22人
5月24日 インドネシア・ジャカルタ 死者3人
5月26日 エジプト・ミニヤ 死者29人
5月27日 アフガニスタン・ホースト 死者14人
5月29日 イラク・バグダッド 死者13人
5月30日 イラク・バグダッド 死者10人
5月30日 イラク・ヒート 死者12人
5月31日 アフガニスタン・カブール 死者90人
6月3日 アフガニスタン・カブール 死者20人
6月3日 イギリス・ロンドン 死者7人

なぜ、イスラム教徒にとって大切なラマダンにおいて、イスラム教徒がテロを起こすのか。

理由はいくつかありますが、ひとつずつ紐解いて解説をしていきます。

注目されやすい

引用:https://withnews.jp/

イスラム教徒にとってラマダンは年間行事の中でも重要なイベントです。

その重要なイベントの期間にテロを行うことは、ラマダン期間以外にテロを行う以上に世間に対してアピールをすることができます。

テロリストにとって自分たちの存在を世間に認知させることは、テロ行為という良からぬことであろうとも大切なことなのです。

人が1箇所にたくさん集まる

引用:https://www.huffingtonpost.jp/

ラマダンではいつも以上に、お祈りのために1箇所に人が集まりやすくなります。

テロリストにとって無防備な状態で多数の人が集まっている場所は、最高の狩場ポイントと言っても過言ではありません。

そのため、中東の国を中心にテロが行われやすくなる傾向があります。




ラマダンとしての努力のため

近年ではイスラム国(IS)が世界的テロ組織として有名です。

その彼らもイスラム教徒の一端ですので、ラマダンの重要性や意義を理解しています。

ですので、ラマダンの間に彼らなりの「努力」をしようとしてテロを起こしているそうです。

異教徒を殺すことこそが、イスラム国にとっての正義であり報われるための戦い(聖戦)となります。

資金の書き入れ時

イスラム教の考えでは、ラマダンでの寄付は功徳が高いということを上述しました。
そして、寄付の相手は誰でも良いとなっています。

しかし、中には考えや思想に共感してイスラム国へ寄付をする人がいるのが実状です。

テロ組織への資金移動は監視されているそうですが、ラマダン中はたくさんのひとが寄付を行い資金移動がたくさん行われます。
そのため資金の流れを追いきれなくなり、結果的にテロ組織が資金をたくさん集めてしまうそうです。




まとめ

ラマダンについてまとめました。

イスラム圏内ではラマダンがどれだけ重要なイベントであるのか理解できたのではないでしょうか?

ラマダンを体験する機会はありませんが、自分自身の邪念を払うために1日だけやってみても良いかもしれません。

また、過去にはラマダン中のテロに日本人が巻き込まれて死亡している事件も起きています。
イスラム教圏内の国にラマダンの時期に旅行に行く際には、テロに巻き込まれないように注意が必要です。

この機会に、他の文化の考え方や在り方について理解してみてはいかがでしょうか。